903Fe準備室

クイズをより楽しめる(かもしれない)ヒント

「三十年闘争」エントリー等について

本記事では、①大会の参加エントリー、②プレイングスタッフ依頼、③大会参加費のお支払い、④観戦募集 の4点についてお知らせ致します。

 

①大会の参加エントリーについて

本大会「三十年闘争」の参加エントリーは、【8月31日(木)21時】に開始致します。
開始時刻に、エントリーフォームへのURLリンクを記載した記事を新たに更新します。その記事からフォームへアクセスし、エントリーをお願い致します。

エントリー項目は以下の通りです。個人情報管理に関する当大会のプライバシーポリシーはこちら*1

・メールアドレス(必須)

・氏名(必須)

・お住まいの都道府県(必須)*2

・エントリー区分(必須)

「高校生以下」「高校生以下」ではない の2つからお選びください。

・代用連絡先

※万が一メールアドレスに誤りがあった際の代用連絡先として、各種SNSなどを書いてもよいという方は、こちらに記載いただけますと幸いです。
こちらの項目は完全に任意であり、大会後には他の個人情報と併せて破棄いたします。

・エントリーリスト掲載名

・プレイングスタッフ(採点)以来の可否(必須)

・主催への連絡事項

②プレイングスタッフ依頼について

本大会は少数のスタッフでお送りする予定のため、1R終了後の筆記クイズ採点時、参加者の皆様のうち何名かの方にお手伝いを頂きたく思っています。
ご助力いただけるという方は、エントリー時に「プレイングスタッフ依頼の可否」の項目を「可」としてご回答いただけますと幸いです。

プレイングスタッフの方は参加費が不要となります。また当日のお昼に昼食を用意する予定です。

③大会参加費のお支払いについて

本大会の参加費の決済には、オンラインチケット発行サービス「Peatix」を使用します。
Peatix

エントリーフォームからの自動返信と、エントリーリストへのお名前掲載によってエントリー受理を確認した方は、【9月22日(金)23時59分】までにチケットを購入してください。

チケットページのURLは、エントリーフォームと同じ記事に記載する予定です。当日の受付方法の詳細もこちらにて説明します。

④観戦募集について

本大会は「観戦可能」として運営する予定ですが、エントリーの状況によっては変更となる可能性があります。
観戦者の方の入場を可能とする場合、参加と同様に事前エントリーのページを開設する予定です。

 

大会まで間もなくとなりましたが、当日まで何卒よろしくお願い申し上げます。

*1:8月29日追記

*2:8月29日追記

「三十年闘争」主催者紹介

今回、前日開催の大会「PoC」の主催と話をし、共通の主催者紹介フォーマットを使ってみようという話になりました。
大会の参加を検討する上で、以下の情報が参考になれば幸いです。


主催: 廣瀬哲
 
所属.
加入or成立順に、山梨クイズ連合/Period/キャベツ/HQT/いーづか会


経歴.
山梨県甲府南高校クイズ研究会 (2011-2012)
東京大学クイズ研究会 (2012-2021)
→ 関西勤務 (2021以降)


得意ジャンル.
自然科学 (化学、動物)、美術


趣味.
ゲーム実況を見る、写真、食事、逆合成、クイズ論(に繋がる読書・文献探し)


どういう問題が好きか.
①「出題者自身との距離感が適切な問題*1」であれば、基本的に何でも良いと感じることはできます。群としては、統一感があるとなお嬉しいです。
② 点の取り合いを競技的に行うことを主眼に置く場であれば、「答えの事物との距離感*2」「解答者との距離感*3」が適切な問題文の方がありがたいです。さらに言えば、「誰かが人為的に書いたということを感じさせず、はじめからそこにあったと思えるような自然な文章」だと非常に嬉しいです。
※②については、距離感がバグっていることで面白さを発揮する問題もあると思うので、全ての場合に当てはまるわけではありません。

参考となる問題集.
・問題面では『東日本早押しチャンピオンシップ』、『A Border of Curiosity
・思考面では『選定2級 第1回予想問題


その他コメント.
・参考となるブログ記事……「分散性と選択性

大会を機にいくつかブログを更新しようと思っています。こちらもお読みいただけると嬉しいです。
ご参加お待ちしております!

*1:率直な言葉で端的に言えば、「自分に酔ってないこと」かなと思います。

*2:たとえば「子ども向け絵本の問題と難解な小説の説明文のテイストが同じ」みたいなのは、こういうときに限って言うとちょっと困るというか、不得意です。

*3:「大人を相手にした場で、小学生に説明するような語り口で出題する」といったことが、果たして適切かどうかというようなことを考えています。

「三十年闘争」主催挨拶

こんにちは。「三十年闘争」主催の廣瀬です。
日程のみの告知から正式なアナウンスが遅くなってしまいましたが、会場等諸々の見通しが立ちましたので、大会に関して①動機、②出題傾向とルール形式、③前日との連戦 という3つの内容についてお知らせ致します。


①動機
個人的な話になりますが、私廣瀬は今年30歳になりました。
高校生クイズ」への出場を目指して仲間を募ったのは15-16歳のときでした。人生の半分クイズに取り組んでいるのかと思うと気が遠くもなります。


本大会の開催目的は、端的に言うと「30歳の現状確認」です。
今の自分が作れるようになった問題、まだ作ることができない問題、上にいる方々との距離……そういったことをきっちり把握し直し、未来に向けて歩んでいくために、問題群を編んでみることにしました。
非常に私的な動機で恐縮ですが、一応人生の区切りを懸けて臨んでおり、問題以外の面も含めて精一杯準備を尽くすつもりです。


②出題傾向と形式
大まかには「短文基本」という出題思想に立ち、それを念頭に置いて「自分に作れる問題」を作ります。この5年間、特に若手世代を中心に発展したこの傾向に、感謝と敬意を表して問題群を組むつもりです。
その上で、従来の自分が後回しにしてきた「ゲームをデザインすること」「書き言葉ではなく話し言葉で問題文を書くこと」を、優先すべき課題(努力目標)として設定しています。


形式については検討中です。できあがった問題群を見て、支障が無さそうであればabcと同様の絞り方を踏襲する可能性があります。可能性は現状五分五分くらいですが……
(全員→48名→20名→8名→1名復活して9名→3名→1名)

これらに関しては、エントリーの時期(8月中旬)に再度詳細をお知らせ致します。
出題の詳細については、最低限「例題」は公開する予定です。


③前日との連戦
今大会は、前日9月23日に同会場(小松川区民館)で開催される「PoC-east-」と連戦となっております。ぜひ、両大会への参加をご検討いただけると嬉しいです。

 


重ねての表明になりますが、大会当日を良い1日とするべく、精一杯尽力いたします。

是非ご参加を検討していただけますと嬉しいです。何卒よろしくお願い致します。

『選定2級 第1回予想問題』ありがとうございました!

1年前、『選定2級 第1回予想問題』という文書を公開しました。

こちらは、クイズの問題文の書き方・直し方、その考え方を学ぶための教材として、私が自身の問題の「失敗例」から作成した設問集です。
多くの方が手に取ってくださったようで、予想以上の反響をいただきました。議論を呼びやすい内容のため炎上しないか不安でしたが、概ね好意的に受け取っていただけたようで何より安心しています。
本当にありがとうございました。

 
「中~上級者向け」のクイズ問題作成ガイドの類は珍しいと思います。間口の広い内容ではないかもしれませんが、今からでもぜひ一度手に取っていただけると嬉しいです。
多くの方に手伝っていただいたおかげで、手前味噌ながらよくできた内容になっているとは思います。
 
今回は「いつの間にか1年経ってしまった記念」に、当時投稿フォーム*1に寄せられた解答案・質問や、SNS等で見つけたご意見などを紹介していきたいと思います。
本当なら公開1カ月後とかに書く記事……

 

『予想問題』全体に関して

検定の形にしたのはなぜ?
問題選定テクニックの解説だけに留めなかった理由は、ずばり「自分の考えを言語化することを練習してもらうため」です。
言語化を行うことのメリットは、大きく ①自分の考えを他人に共有することができる②自分の考えを深めることができる という2点にあると思います。これについて、順に説明します。
 
まず、①の「自分の考えを他者に共有できる」について。
『選定2級 第1回予想問題』は、「問題選定の実場面」を想定した練習を行うための教材でもあります。

言語化」という行為は、クイズに限らず非常に疲れるものです。不要ならわざわざ言語化をしないこともあるでしょう。「既に価値観をなんとなく共有している仲間が相手で、言語化に労力を割くよりもやってみた方が早い」ということは往々にしてあり得ます。

しかし、実際の問題選定の際には、その「なんとなく共有していた価値観」を詳細にすり合わせる必要があります。ミスリードや出題ミスへの「気づき」に個人差があったり、出題方針の解釈が互いに食い違っていたり、意見が対立したりするためです。そんなときに「こう直したい」という要求を通すには、自分の考えを他人に理解してもらえるように共有することが最低限必要です*2
また、他者に伝える上では②の「自分の考えを深められる」も大事になってきます。そもそも自分がちゃんと理解していなければ、他人に考えを共有しようにも、論点をわかりやすく整理することは困難でしょう。

言語化に着手してみると、自らが理解を曖昧にしていた論点が嫌というほど浮かび上がって来ます。
自らのレベルアップのためにも、ふと「なんでだろう」と感じたときなどに、適度に取り組んでもらえると嬉しいです。

 
余談ですが、いわゆる「クイズ論」*3の多くが口伝や共通体験の形でのみ"伝承"されてきた背景には、この言語化のコストの高さが一因として存在していたように思います。
「クイズ界は今もmixiを使っている」ということがときどきネタにされていますが、これは「クイズの込み入った話を価値観や前提を共有していない人にも見せられる水準の文章で書くのが大変だから」でもあるのではないでしょうか*4。あくまで趣味に取り組む一個人の行動として、「曲解のリスクを避けて文章をオープンにしない」という選択を取ることも、ある種自然なことであるように思います

だからと言って技術やノウハウを秘匿し続けていいというわけでもないのですが、またこの話は別の機会にでも。

 
「題意を読み取れ」というタイプの問題は検定に適さないのでは?
第1問の(3)や(5)は問題文を直すのではなく、「この形の問題文にした理由」を訊いています。まるで「出題者に忖度しろ」と言わんばかりの設問であり、本来であれば「検定」には不適切な出題かもしれません。しかし、今回はこの"忖度"を重要な技術だと考え、「選定の練習」をしてもらうことを優先して出題しました。

なぜ他人の出題意図を汲み取ることが問題選定に必要なのか?理由はいろいろありますが、私が最も大事だと思うのは「改悪のリスクを減らすことができる」ことです。

公募や共同での問題準備には、「互いが持っていなかった視点が組み合わさり、問題群の幅が広くなる」という利点があります。提出されてくる問題には、自分には作れなかったであろう問題が少なくないことでしょう。
しかし、私たちは誰もが、そのような問題に盛り込まれた「面白い仕組み・情報・出題意図」の全てに気づくことができるわけではありません。それもそのはず、元々「自分には作れなかった問題」なのですから。もし、それらの"原石"を見落とし、より面白みの少ない形に変えて世に出してしまったとしたら、もったいないと思いませんか?*5*6
文法的に誤っている問題、読みにくい問題、あまりよく知らない情報が盛り込まれた問題……これらを無難な形に直してしまうことはそこまで難しくはありません。もちろん簡単ではないですが。
しかし、その一段上の問題選定を行っていくためにも、「なぜ提出者はこの形にしたんだろう」ということを考え、見抜くことができるようになるといいなと思います*7
 
ただし、そもそも作問に何かしらの意図があるのであれば、提出の時点でコメント欄などで表明しておいた方が良いです!実感として、その方が助かります*8

また、これはあくまで「題意を汲み取ったうえで適切かどうか判断する」という話ですので、どんな原作も100%活かされるというわけではありませんし、保証もできません。互いの考えをうまく言語化したうえで、議論できると良いかなと思います。

 

個別の設問に関して

※以下、『選定2級 第1回予想問題』のネタバレを含みます。設問の詳細はpdfを参照してください。
 
第1問(2)の解答案紹介
A. 「ポケカでCM」「謎解きで冠」なのか「ポケカでCM・冠」「謎解きでCM・冠」なのかが分かりづらい。

……確かに!正解としました。修正前の問題文は以下のようになっていたのですが、情報を詰め込み過ぎた感が強く、分かりづらいですね。

芸能界きってのポケモンカード好き・謎解き好きとして知られ、それぞれでCMと冠特番を持っているイケメン俳優は誰でしょう?

 

第1問(5)の解答案紹介
A. 特徴的な言葉(固有名詞など)などを列挙するのではなく、比較的没個性な言葉を列挙し、その共通項に気づいた人、あるいは押しポイントをストックしていた人に正解してもらう。abc16「エド・シーラン」など。

興味深い解答でしたが、今回は△としました。「エド・シーラン」の問題文は以下の通りです。

『+(プラス)』『x(マルティプライ)』『÷(ディバイド)』と、演算記号をタイトルにしたアルバムを出しているイギリスのミュージシャンは誰でしょう?
 
具体例や要素を列挙していくタイプの問題文であり、この点で(5)の題材とした問題文と同じです。指摘してくださった「没個性な言葉がもつ意味に気づく・早押しポイントとしてストックする」という考え方は、他の競技者と差をつける上で重要な戦略の一つでしょう。
しかし今回は、指摘内容とこちらの想定との間に、以下のような微妙な違いがあるように思います。
  • 指摘された解答案……列挙された言葉の全てに共通する特性がある。没個性ながらも、各項目が均等にヒントとなっている。
  • 想定解答案……最後に挙げた言葉が最も重要であり、項目ごとに情報の重みづけが異なる。さらに、最後の言葉によって、没個性だったその前の言葉にもヒントとしての意味付けがなされる。

このように、解答の肝としては「情報の重要度に差がある」ことがポイントであったため、完全な正答にはできないと判断しました。

重要度に差があるとどう違うか?という点に関しては、対策する側の目線が変わるかなと思います。
たとえば、「各項目が均等にヒントになっている」のであれば、一要素目(プラス)だけを聞いて押すことも理論上できそうですよね?あらかじめ知っていれば*9。特に、例示してくださった『プラス』『マルティプライ』『ディバイド』は固有名詞ですので、答え(エド・シーラン)と一対一対応したキーワードではあります。そのため、聞き取った際の判別は難しいものの、押しやすいことは押しやすいです。全体に共通項性があり、1つ目の項目もヒント性を帯びているのだから、競技目線の対策としてそれ(ら)を覚えよう・早押しポイントとしてストックしようという発想になるのだと思います。

一方、「ミルクティー、レモンティー、」「プラス、マイナス、」はどうでしょうか。情報量が無さ過ぎてわざわざ覚える気になりませんよね*10多くの人がアクセスしやすい題材・難易度だからというのもありますが……。その甲斐(?)もあってか、出題当日時点では初見の問題文となっていたようです。
こうした違いにより、「早押しクイズの場における思考回路」「押しポイントを(準備段階ではなく)その場で導く即興性」が、より引き立った出題となっていたように思います。

 
第1問⑸への指摘
午後の紅茶」の問題は紅茶関連の出題であることが明け透けであり、面白みに欠けるのではないか

まあ確かにその通りというか、問題文を読んでみて知識面で面白みや得られるものがあるかというと、そんなにないことは否めません。しかし、この問題は上述の通り「早押しの思考回路や即興性を問う」という機能を備えており、その点で(広い意味で)早押しクイズとしての面白みは有しているのではないかと思います。

どういった面白みを優先するかや良し悪しは、一概に「何が正しい」とは言えません。個人の好みによっても、問題群としてどういった力を測るかという方針によっても変化するからです。一応ひとつ言えるのは、「abc the18thでは早押しの思考回路や即興性も重視された」ということではあると思う、ということでしょうか。

まあ、全方面の面白みを備えているのに越したことはないのですが、なかなか難しいことです。

 
第3問の解答案紹介
方向転換の難しい車いすバスケには存在しない、いったん止めたドリブルを再開するバスケットボールの反則は何でしょう?

これもなるほどと思いました。確かに、ミスリードを防ぐには、文章・構文面のケアのみでなく「意味内容のガイド」をつけることも有効です*11。abc the19th「ハンダ」などに似た発想ですね。

環境への配慮から鉛(なま/り)を含まないものが主流となっている、金属同士の接合に利用される合金は何でしょう?
 
第6問の解答案紹介
  • そのまま使える=実用的である問題をそろえようとした結果、よく出がちな構造などを用いる問題が多くなった。それは目的とする大会の一部分を取り出し、拡大したにすぎず、再現度の方が犠牲になったということ。
  • 現代短文クイズ(あるいは予想されるABC7の問題群)の出題規範を意識する過程で、問題群として出題規範を再現するよりも、一問一問のモジュールごとに意味を持たせるという行為。問題群全体としてよりもモジュールごとの再現性を重視した結果、本番とは毛色が異なる問題群になり、押しごたえやプレイングが本番っぽくないものになったと感じた。
私が書いていた解説を、より一般化した形にした解答案が寄せられました。皆さん理解度が高い……
この設問で取り上げた「対策企画の方向性」というものは、たとえば皆さんが企画に参加した際・問題集を購入した際にも、違いを感じたことがあるのではないでしょうか。

こうした対策企画は、主催者が何を対策したいかによって、大まかに2タイプに分かれると思います。

  1. 1問でも当てに行く
  2. 全体の再現度を近づける
ここの需要と供給が違うと、問題集を買ってから「思ってたのと違う!」となりかねません。そのため、「1.と2.の違いがあるということを認識する」「可能なら、どういう方向性の企画なのかを説明する」といった対処が必要になってくるように思います*12

雑な図ですが大体こんな感じです

 

その他の質問

なんと、各設問に対する解答案だけでなく、普通に質問を送ってくださった方がいらっしゃいました。ありがとうございます!
せっかくなので紹介したいのですが、既にだいぶ長くなってしまったので、そちらについてはまた次回。
 
『選定2級 第1回予想問題』本編について補足したいことはひとまず以上です。その他に質問や解答案等あれば、ぜひ投稿フォームからご意見をお聞かせください。

本書や本ブログが皆さんの困りごとの解決につながり、作問がより楽しくなるための助けになれば幸いです。


*1:https://forms.gle/nYewN3W1DxErNJBU8

*2:もちろん、伝える表現や姿勢にも気を付けた方がよいでしょう。相手の仕事に対して一旦は異を唱えるわけですし、何なら不適切なのは自分の方かもしれないわけで……
「その意見をその表現で表明すると、他人からどう思われるか?」ということを考えられると良いのかなと思います。

*3:出題傾向の内容や違い、歴史、戦術論、早押しのテクニック、勉強法、ルール設定の仕方、大会開催ノウハウ、イベント設計、サークルの運営、クイズの続け方と付き合い方……など。作問や問題選定の技術に限ったことではありません。

*4:ここで言う「前提」には、「この筆者はこういう性格で、ときどき口が悪くなることがある。でもクイズには真摯だ」といった認識も含まれます。

*5:ここでいう「面白み」「面白い」の基準はTPOによって変わってくるため、ふわふわした話で申し訳ありませんが今回は定義しません!

*6:経験則として、作問者のことをナメている人はうっかり見落としやすくなります。

*7:実用レベルにするためには「読んで瞬時に見抜く」程度の水準が必要です。選定を担当する問題が50問あったとして、1問当たり5分も「題意を考える」ことだけに使うわけにはいきませんので……。ただし、「全部を瞬時に見抜くのが難しいから人数でカバーする」という方法で解決を図ることは可能です。

*8:ウィットに富んでいるとか少し諷刺があるとか、オチがあるとか、解説すると野暮なものを自分で書くのは恥ずかしいということも有り得ます。そこをあえて作問者に書いてもらうか、ユーモアを磨いて汲み取れるようにしておくかは皆さんにお任せします。

*9:厳密には、「これは列挙型の問題文だから、この後にも共通項性のある情報が続く」という分析が、「押せる」という判断の前提になってきます。

*10:とはいえ、「プラス、/」が既にエド・シーランとドライバーの2択になってしまった以上、たぶん皆覚えているのでしょうが……。

*11:この問題文からは、なんとなく「存在する」とは続かなそうだな~という印象も受けます。割と感覚的ですが、理由としては以下の3つがありそうです。
・「~に存在する」よりも「~に存在する」と言いそう
・「存在する」だと音数的にしっくりこない
・そもそも「存在する」ではなく「~では反則として規定されている」などと言いそう

*12:より厳密には、1.と2.がそれぞれさらに2通りの傾向に分かれ、計2×2タイプがあると言えます。

1-1. ペーパークイズで答えを書けるようにする。後限定重視の知識補強。
1-2. 早押しクイズで押せるようにする。前フリや特徴的なフレーズの知識補強。
2-1. 全体的な題材のチョイスや、出題方針の再現度を寄せる。
2-2. 特に問題文の面で、本番に似た早押しクイズの立ち回りの練習ができるように寄せる。

分散性と選択性

この記事で取り扱う内容は、一発目の議題としては難易度がやや高いかもしれません。

今すぐ全部を読まなくても良いので、今後の記事にこの考え方が登場したとき、都度立ち返ってもらえると幸いです。

 
 
みなさんは日々クイズを解いたり出題したりしているなかで、こんなことを考えた経験がありませんか?

「面白いクイズ企画・大会、クイズ番組は、どうして面白いんだろう?」
「ルールや問題をどう調整すれば、知識量の差が出やすくなるんだろう? あるいは出にくくなるんだろう?」
「そもそもクイズの"実力"って何??」

こうした疑問はクイズという遊びの実態に関わっており、非常に手強いです。もっともらしい結論をすぐに得るのは難しいでしょう。

この記事では、こうした超がつく難問を解決する手がかりになりそうな2つの道具を、トレーディングカードゲームの世界から紹介します。
 
 
今回紹介する考え方は「分散性」「選択性」です。

この2つは、世界的なTCGである『マジック・ザ・ギャザリング(以下Magic)』のゲームデザインで使われているものです。
はじめに、Magicの首席デザイナーであるMark Rosewater氏が執筆した記事を引用しますので、ぜひ読んでみてください。

 

……ただ困ったことに記事があまりにも長いので、以下少し説明を加えたいと思います。*1

 
目次

分散性・選択性とは何か?

分散性 [variance] とは、ゲームのある要素の働きが「試合ごとに変わるかどうか」という尺度です。試合展開の多様化に影響する性質であり、「分散性が高い」要素が多くなるほど、試合ごとに展開が違ったものになりやすくなります。

対して選択性 [choice] とは、プレイヤー自身が「こうしたい!と選べるかどうか」という尺度です。「選択性が高い」要素が増えるほど、プレイヤーが試合展開に介入できる度合いが高くなります。こちらの方が、分散性に比べて理解しやすいかもしれません(私はそうでした)。

以降の議論では、これらの尺度を「クイズというゲーム」の枠組みそのものにも、「ルール」「問題」「プレイヤー」といった個別の要素にも適用します。この点がかなりややこしいので注意してください。*2

 
なお、出典*1 のブログでは「平たく言えば運のことである。」と書かれています。確かに、直感的には「分散性≒運要素←→選択性≒実力要素」という対比が何となく思い浮かびがちです。しかし、この「運←→実力」図式は大まかに理解をする上では大いに助けになるものの、全てには当てはまりません。一概にそう言ってしまうと、見落としてしまう論点があります。
ゆっくりでよいので、なるべく「分散性」「選択性」という考え方そのものを捉えられるようになれるのが望ましいでしょう。
 

具体的にどういうことか?

クイズについて考える前に、元記事で解説されているMagicの例を見てみましょう。
記事「その1」の中では、各種のカードの振る舞いが場面ごとにどう変わるか(分散性)、そこにプレイヤーの意思がどの程度反映されうるか(選択性)といった例が説明されています。
また、カードのような最小の構成要素だけでなく、「カードゲーム」という形式そのものの考察にも用いることができます。たとえばMagicのようなカードゲームは、「相手が毎回どんなデッキを持ってくるかわからない」「山札から引くカードの順番がランダム」といった要素があることから、根本的に分散性は高めであると言えます。一方、あるカードゲームの選択性が高いか低いかは、もう少し個々のルールによって変わってくると思います。
Rosewater氏によると、分散性が高いゲームでは新奇な場面が現れやすくなったり、大枠を把握して柔軟に対応を取ることが重要になったりします。また運の要素も大きくなるため、番狂わせも起きやすくなるとされています。*3
 
これに対し、分散性が低いゲームとしては囲碁や将棋、チェスなどが挙げられるでしょう。出典*1 の記事でも解説されている通り、初期配置と戦力が固定される上、試合中にランダムなイベントが発生することもないからです。ただし、ある駒の働き(いわゆる「生き死に」)が盤面によって変化したり、プレイヤーの得意戦法による相性・有利不利が生じたりはするなど、分散性を有する構成要素が存在はしています。
そして、これらゲームの選択性は言わずもがな非常に高いです。それぞれの盤面は、プレイヤーの選択によってのみしか生まれません。
 
「その1」の記事の後半では、分散性が高い/低いことの利点、選択性が高い/低いことの利点、そして分散性・選択性をもとにしたゲームの4分類について解説されています。この部分は特に、元記事を重点的に読んでいただきたいです。

「分散性 その1」より引用

 

クイズではどうなるのか?

Magicや将棋の例と同様に、クイズでも様々な要素を「分散性」「選択性」で分析することができます。ここで、1では「クイズというゲーム」そのものの在り方に、2と3ではより細かな構成要素である「ルール」「1問の問題」に着目しています。
 
1. 毎回違う問題が出題される……分散性が高い

クイズという遊びでキーとなる出題の内容が、そもそも試合ごとに変わります。問題の並び順まで含めると、この「出題」の分散性は非常に高いと言えます。一方で、プレイヤー視点では「出題」の選択性は基本的に0だと言えます。
一応、「プレイヤーが次の問題のジャンルを指定する」というようなルールであれば、低いながらも選択性が生じるでしょうか。

 
2. 統一ルールがない……分散性が高くなりがちである

クイズには、Magicや将棋にあるような規格化された統一ルールが現状ありません。
一応「アップダウンクイズ」「7〇3×」などの有名なパッケージは存在しますが、必ずしもそれらが毎回採用されるわけではありません。何なら、「出題はするけど正解数は数えない、みんなで雑談して楽しんで終わり!」とすることもできます。
そうである以上、この「ルール設定」という要素は自由度が高く、高めの分散性を孕んでいると言えます。

ただし、個別のルール(アップダウンクイズ、7〇3×、雑談して終わり……etc)の分散性・選択性が高いか低いかは、カードゲームと同様にルールごとに変わります。たとえば、「1問正解すると他プレイヤー全員のHPを1減らす」と「1問正解すると他プレイヤーから1人選び、その人のHPを1減らす」では、後者の方が分散性も選択性も高くなります。

 
3. ある1問がもたらす効果が、状況によって変わったり変わらなかったりする……分散性が高かったり低かったりする

たとえば日本史問題が早押しクイズで出題されたとき、「対戦相手に歴史が得意なプレイヤーがいるかどうか」「自分が歴史が得意か苦手か」によって、誰がボタンを押して正解するかは変わってくるように思います。全員歴史が苦手なら、「いつも歴史問題なんて答えないけど今日は偶然ボタンが点いた」というケースも生じるでしょう。
このように、基本的にクイズの問題は1問1問が高い分散性を有していそうです。*4

しかし、少し注意が必要な例も存在します。それは、過去に出題が繰り返され定型が固まっている問題……いわゆる「ベタ問」です。
たとえば「なぜやまに……」と聞こえたら、ある程度競技的なクイズに慣れてきた人であれば(全員がそこでボタンを押せるとはいえないまでも)ピンとはくるでしょう*5。「当日の得点状況にも対戦相手の顔ぶれにも関係なく、毎回同じようなところで誰かに押され、正解される」という意味では、ベタ問は毎試合似たような動きを繰り返しやすく、この点で分散性が相対的に低いと言えそうです。*6

 
これらを踏まえると、クイズという遊びは総じて分散性が高いゲームの部類だと言えるでしょう。*7 *8
 

何の役に立つの?

ぶっちゃけると、先ほど考察したように「○○は分散性が高い」「○○は選択性が低い」という分析が逐一できて、クイズへの理解が深まるという他ありません(私はそれだけでも非常に大きな喜びを感じますが……)。
一応、こういった分析を応用することで、時に興味深い結論や知見を得ることもできます。もしかしたら、冒頭で挙げた「超難しい疑問」の解決につながるかもしれません。
一つ、議題の例を挙げてみましょう。
 
皆さんは、一問一答ボードクイズと早押しクイズとでは、どちらの方が選択性が高くなりやすいと思いますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
結論から言えば、選択性が高くなりやすいのは早押しクイズの方であると考えられます。

ボードクイズでは、試合が始まってしまえば「順番に出題された問題に答える」以外の動きを基本的に取ることができません。そして、最適解は大抵の場合「正解すること」です*9。これがもし「50問を15分で解くペーパークイズ」であれば、「わかんない問題を飛ばす」「後ろから解く」などの動きも取ることができ、多少の選択性が生まれます。

しかし早押しクイズでは、ルールや得点状況を踏まえ、問題に対していくつかの立ち回りを選択することができます(以下の例をご覧ください)。その結果、プレイヤーが主体的に戦局を動かしやすくなります。早押しクイズの各種立ち回りを好ましく思うかは人によって異なると思いますが、まあ一旦それは置いておきましょう。

・答えが思い浮かんでから押す
・答えが思い浮かんでないけど分かりそうだから押す
・とりあえず早く押す
・押さないでおく
・意図的に早く押して誤答する、いわゆる「問題潰し」*10
 
「早押しクイズの方が選択性が高い」という結論は、冒頭に書いた「分散性≒運要素←→選択性≒実力要素」という図式が頭に残っていると、やや直感に反するものかもしれません。

原因として、ここではクイズの"実力"の大部分を占めることが多い「知識」がほぼ考慮されていないためだと考えられます。"実力"という言葉の意味はだいぶ曖昧ですが、ここでは一旦スルーしておきます。
ただ、あくまで選択性も"実力"の一要素でしかないという点には注意が必要です。そもそも「立ち回りの選択性」をクイズの"実力"にカウントしたいかどうかも、個々人の価値観によって変わってくるものだと思います。

 

最後に

しかし、逆に「早押しクイズの方がプレイヤーが主体的に戦局を動かしやすい」と書くと、そもそも当たり前のことを言っているようにしか聞こえないかもしれません。わざわざこんな分析をする必要があったのでしょうか?
 
この分析は、次のような別の仮説へつなげることもできます。すなわち、ボードクイズの方が選択性が低いということは、「ボードクイズの方が分散性の影響力が増す」可能性があります。
このとき、
 
① ボードクイズの試合展開に影響を与える「分散性を持つ要素」は何か?
② 「①の要素」の分散性が大きくなるルール設定、小さくなるルール設定は、それぞれどのようなものか?
③ プレイヤーは、「①の要素」の分散性をコントロール (≒攻略) することは可能か?
 
ということを考えてみると、さらに面白いと思います。人によっては、その結論はより直感に反しているものになるかもしれません。
そして、上記①~③を考えるためのヒントとして、4つ目の質問を投げかけて終わりとしたいと思います。
 
④ クイズで重要な「知識」という実力要素の分析に、「分散性」「選択性」の尺度を用いることはできないか?
 
 
このように、「分散性」「選択性」という尺度を通してクイズを考察することで、これまで気付かなかったクイズの側面・本質が見えてくることがあります。すぐに役立つかはわかりませんが、「クイズというゲームをプレイヤーとしてどう攻略するか」「どう楽しみ、付き合っていくか」を考えるうえで、強力なツールとなることでしょう。

ぜひ皆さんも、クイズにまつわる様々な分析に、「分散性」「選択性」を使ってみてください!

 
※以上の解説に誤り等ありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
 
 

*1:本記事を書くにあたっては、こちらのブログ記事を大いに参考にしました。
ゲームの「競技性」について:なぜ「海外でも評価されている競技性の高いゲーム」ではなくApexが流行るのか : 永遠よりも彼方から

*2:試合展開への影響力を雑に並べると、大まかに「クイズというゲーム」そのもの≧ルール>問題、プレイヤーとなると思います。たぶん。他にも要素はありますし、厳密にはルール・問題・プレイヤーという要素をさらに細分化する必要があるように思います。

*3:ただし、運要素を増やし過ぎると、確率的には全プレイヤーがその恩恵を均等に受けやすくなり、逆に実力差が出やすくなるという指摘もあります。直感には反している結果ですね。
この件はこちらの動画でも詳しく考察されていますので、ぜひご覧ください。
【麻雀講座】最も実力差が出るルールを考える【天鳳位】 - YouTube

*4:この点は、クイズが遊び以外の機能を有している場面でも同様です。たとえば、講演やセミナーの冒頭でフックとして出題されるクイズ問題は、聴講者の知識を測るためのものだとは限りません。基本的には、間違えた相手の無知を指摘したり、陥りやすい勘違いへの気づきを促したりして、話に興味を持ってもらうために出題されているように思います。
こうした使い方が良いか悪いかはさておき、他にも情報番組や飲み会の「クイズ出して!」など、遊びの場では輝いている問題が全く役に立たないシーンはたくさん起こり得ます。もちろん、逆のケースも成立しそうですね。
これも、クイズ問題1問が持つ高い分散性の例だと私は考えています。

*5:Q.「なぜ山に登るのか」と訊かれ、「そこに山があるからだ」と答えたという逸話で有名なイギリスの登山家は誰でしょう?/A. ジョージ・マロリー という有名なベタ問があります。山ではなく「エベレスト」と訳すのが正しいという指摘もなされていますが、便宜上ここでは古くから親しまれている形で記載しております。

*6:これにも例外があります。たとえば、「過去に聞いたことがない新作の難問たち」で構成された問題群の中で、突然「なぜやまに……」という問題が読まれたらどう感じるでしょう。本当にマロリーが答えだったとしても、「本当にマロリーが答えか?」と迷うのではないでしょうか?
問題群が個々の問題によって形作られているのと同時に、個々の問題の働きや意味は問題群全体の在り方から影響を受けているのだと言えます。

*7:余談ですが、私の友人は「そもそもクイズとカードゲームは戦略性が非常に似ており、以下のような対応を持っている」と指摘しています。
・どんなデッキを構築していくか ≒ どんな知識体系を持っているか、もしくは意図的に勉強していくか
・盤面を踏まえ、ランダムに引いた手札でどう立ち回るか ≒ 得点状況を踏まえ、ランダムに出題された(早押し)問題に対してどう立ち回るか

*8:*7と類似の議論として、「麻雀とカードゲームが似ている」という指摘もなされています。こちらの動画の 2:16:00~2:28:30 頃をご覧ください。
✯*. #神域リーグ/打ち上げ回 ˗ˋˏチームアキレスおつかれさま!ˎˊ˗〖 天宮こころ┊にじさんじ 〗 - YouTube

*9:「正解しない」が最適解になりうるボードクイズのルールを作れば、選択性を高くすることはできます。しかし、それと似たようなルールで早押しクイズをやれば、その早押しクイズの選択性も同様に(もしくはそれ以上に)高くなると考えられるので、考察から除外します。

*10:問題潰しは、疑似的には「出題を1問スキップさせる」行為とも言えます。対戦相手が得意なジャンルの問題を狙えば、その効能はより大きくなるでしょう。これは見方を変えれば、プレイヤー側が選択性を持つことができなかったはずの「出題」への関与ともみなせます。

ブログの目的について

クイズ論ラジオ「POMFe」や『選定2級 第1回予想問題』*1を作ったりしていましたが、このたびブログを始めました。
最初なので、ブログでやりたいことと発信のスタンスについて書いておきます。

目次

 

ブログの目的

Twitterプロフィールやブログ真上にも書いている通り、「クイズがより楽しくなる (かもしれない) ヒント」をお届けしたいと思っています。簡単に言えばPOMFeの後継です。

ラジオという媒体はちょっと不向きだったというか……もう少し内容を吟味したうえで発信しよう、引用しやすい形で残しておこうと思い、文章に移行しました。

 

「クイズがより楽しくなる」とは?

基本的には、皆さんが趣味(もしくは仕事)としてクイズに取り組む中で直面した「困ったこと」を解決して、少しでも快適にするという意味合いです。

より形式的に書くと「課題設定と解決」という感じになるかと思いますが、そこまで堅苦しく考えなくても大丈夫です。
「サークルの人が多くなってきたけど運営どうしよう?」とか、「せっかく知っているんだから早押しクイズでちゃんと正解したいな」とか、無数にある「困ったこと」の一つひとつが対象となります。

ただしこのブログでは、「困ったこと」を解決するための具体的な策や方針を書くことは少ないかもしれません
どちらかというと、クイズの仕組みなどの抽象的・一般的な考え方を提示しておくことで、「将来的には自力で解決することにつながる (かもしれない) 」という形を目指します。そのための「ヒント」です。*2
一例として、本記事と同時公開した紹介記事を読んでみてください。

n-iron-fe.hatenablog.com

 

そして一番注意していただきたいのは、提示されたヒントの中には、残念ながらあらゆる場面で通用する正解なんて存在しないということです。
私の発信に限ることではありませんが(こちらも残念ながら)、各ヒントの価値は人によって・立場によって変わります。そんなわけで、このブログもしょせんは皆さんが参考にできるよう"提示"しているだけです。

皆さん一人ひとりがその前提で読んでくださり、さらには考えてくださったら、この上なく嬉しく思います。

 

「クイズ論」という言葉

この「クイズがより楽しくなる (かもしれない) ヒント」という言葉は、「クイズ論」へ言い換えてもほぼ意味が通りそうですね。

この「クイズ論」という言葉、そこそこ頻繁に使われる割には、意味が曖昧で共通認識が定まっていません。SNS上で繰り広げられる口論を見ても、認識や態度に食い違いがあるなと思ったことが何度かあります(※そもそも、SNS上で議論をしようと試みるのはあまりおすすめできません)。

無用な勘違いを防ぐために、私が今後「クイズ論」という言葉を使う際は、以下の定義を想定して議論を勧めます。

クイズ論=クイズに対して史実・事実、経験などに基づいた考察を加え、共有可能な形で言語化していくこと

クイズ論をする目的は、「ヒント」を提示する目的と同じく、クイズの中で「困ったこと」を解決するためです。クイズ論はあくまで手段であり、それ自体が目的なのではありません。

クイズを進んで論じない方、クイズ論に良いイメージを持っていないという方も、私(たち)はあくまでこのようなつもりでクイズを論じているということを、まず知っておいていただけるだけでも嬉しいです。

少し本筋からは逸れますが、他者をくさしながら退廃的にクイズを論じたり、自分の正しさを見せつけるためにクイズ論をしたりする行為は、お控えください。

 

本ブログでの発信スタンスと名義について

このブログの内容は、基本的には私Fe個人の考え・意見として、私の責任によって発信しております。

ご縁があって大会スタッフをしたり、クイズサークルに所属したりしていますが、所属団体と発信の内容には関係がありません。
もちろん所属団体に迷惑をかけないよう最善の努力を尽くしますが、何かあった際も、発信内容の責任を私でなく団体の方へ求めるのはご遠慮ください。

ただし断っておくと、私の記事および著作物は、私一人のみの力で完成に至っているわけではありません。
ベースとなる議論から内容のチェックまで、多くの友人にご助力を頂いています

Contributionの公開については調整中ですが、心に留めておいていただけると幸いです。

最後にもう一度。

このブログでは、「クイズがより楽しくなる (かもしれない) ヒント」をお届けしていきます。
今後とも、何卒よろしくお願いします。

 

 

*1:コラムで大会の問題準備を振り返った『第2回クイズ山梨最強決定戦』や、問題文の書き方・直し方、その考え方を解説した『選定2級 第1回予想問題』は、こちらのboothに置いてあります。
https://pomfe.booth.pm/

*2:もちろん、具体的な内容を全く書かないわけではありません。『選定2級 第1回予想問題』のようなケーススタディの類も、機会があれば作ってみたいと思います。